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Channel: 身のまわりの分子 -Chem-Station-
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デルフチバクチン (delftibactin)

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デルフチバクチンは、細菌のなかま(Delftia acidovorans )から分泌され、生命にとって有害な3価の金イオンAu3+を、金属金Au(0)に変えて析出させる作用を持った天然化合物。デルフチバクチンが発見されたときは「純金のウンコをする細菌の仕組みが分かった」と話題になりました。

 


ロドデノール (rhododenol)

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ロドデンドロール(rhododendrol)、もしくはロドデノール(rhododenol)は、メラニン産生の抑制作用を持つ植物から発見された成分。美白を目的にした化粧品開発が行われ商品化されたものの、白くまだらになる症状が発覚し対象製品が回収されることになりました。

 

ヨードホルム (iodoform)

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ヨードホルムCHI3はハロアルカンの1つです。常温で黄色の固体、特有の匂いを持ちます。エタノールよりは強く、次亜塩素酸ナトリウムよりも弱い程度の消毒能力があります。

ファイトスルフォカイン (phytosulfokine)

テトラメチルアンモニウム (tetramethylammonium)

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テトラメチルアンモニウムは、最も構造が単純な第4級アンモニウム。化学の広範な分野で用途があります。分子のかたちが神経調節物質であるアセチルコリンと似ているため神経毒性があり、巻貝のエゾボラはテトラメチルアンモニウムを含有することが知られています。

シラフルオフェン (silafluofen)

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シラフルオフェンは、ケイ素原子を含んだ構造が特有な、農業害虫の駆除などの用途で使われる殺虫剤。除虫菊の殺虫成分であるピレスリンの構造を真似た上で、魚への毒性などのぞまない作用を避けるように改良されて誕生しました。

 

カスガマイシン (kasugamycin)

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カスガマイシンとは、奈良県の春日大社の土壌サンプルに見られた放線菌のなかまが産生していた抗生物質イネいもち病の防除に優れた効き目を持ち、他方、ヒトやその他の動物への影響はきわめて少ないため、長年にわたり農薬として使われてきました。

ギ酸 (formic acid)

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ギ酸は炭素数1の還元性を持つカルボン酸。アリから発見されました。

 


カプロラクタム (caprolactam)

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カプロラクタムは、環の構造を持つ炭素数6のアミドで、ナイロンの原材料材料となる分子。

 

オリンピセン (olympicene)

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オリンピセンは炭素と水素からなる物質で、まるでオリンピックのシンボルマークかのようなかたちをした分子です。

 

酢酸ビニル (vinyl acetate)

プロパンチアールオキシド (propanethial S-oxide)

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プロパンチアールオキシドは、タマネギなどネギ属植物を切り刻むと生じる催涙成分。タマネギの食用部を包丁で切ると目がしみる原因はこの物質のためです。

 

ボルテゾミブ (bortezomib)

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ボルテゾミブ(bortezomib)は、医薬品としてはじめて認められた有機ホウ素化合物。細胞内のタンパク質管理を行うプロテアソームを狙った分子標的薬であり、多発性骨髄腫などがん治療で使われています。

 

ヒノキチオール (hinokitiol)

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ヒノキチオールは、ヒノキ科樹木に含まれる抗菌物質。香料としても使われる他、近年になってメラニンの産生を抑える肌の美白作用を持つ可能性も指摘されています[5]。

ヘキサン (hexane)

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ヘキサンは、炭素数6で直鎖状のアルカン。融点マイナス95度・沸点プラス70度。

 


ペリプラノン

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periplanone_title.png

注 ペリプラノンは誘因フェロモンではありません

ペリプラノンはワモンゴキブリ(英名American cockroach) Periplaneta americanaのメスが放出する性フェロモンで、1974年にPersoonsらによって単離されました。[1] 構造が少し異なる成分があり、それぞれペリプラノンA-Dと呼ばれています。後にヤマトゴキブリからペリプラノンJも見つかっています。

二フッ化酸素 (oxygen difluoride)

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二フッ化酸素は、無色の常温気体。液体ではわずかに淡黄色を帯びます。二フッ化酸素の場合、フッ素原子F酸化数が「-1」なので、酸素原子O酸化数は「+2」です。

 

水 (water, dihydrogen monoxide)

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1個の水分子は、1個の酸素原子と2個の水素分子を持ちます。

 

ゲオスミン(geosmin)

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ジオスミンポンチ絵.jpg

ゲオスミン(geosminの発音は「ジオスミン」の方が近い)はデカリン([4.4.0]-ビシクロデカン)骨格にそれぞれ光学活性な2つのメチル基と1つの水酸基を持つ、「雨の匂い」の原因の化合物である。命名の由来はギリシャ語のgeo-(γεο-, 地球の), -smin = smell, odore (ὀσμή, 匂い)。

メチルトリメトキシシラン (methyltrimethoxysilane)

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PMSQ.jpg

メチルトリメトキシシランmethyltrimethoxysilane, MTMS, CH3Si(OCH3)3)は有機ケイ素アルコキシドのひとつで、シリコーン樹脂など有機−無機ハイブリッド材料を作るために使われています。

メチルトリメトキシシランのみを重合した化合物はポリメチルシルセスキオキサンpolymethylsilsesquioxane, PMSQ, CH3SiO1.5)と呼ばれ、粒子状のものは化粧品などの感触改良材として、肌に塗る際にサラッとした仕上がりにするために添加されます。タッチパネルガラスなどのコーティングにも使用されており、有機樹脂に比べて耐熱性や耐紫外線性が高く、変色しない保護層を作製することができます。

写真はPMSQのみからできたエアロゲルです。[1] シリカエアロゲルなどとは異なり高温・高圧などの特殊な乾燥法(超臨界乾燥)を使わずに作製することが可能で、透明でありながら市販の断熱材(20-40 mW m-1 K-1)より優れた低熱伝導率(< 15 mW m-1 K-1)を実現できることから、省エネ素材として研究が進められています。

 

参考文献

[1] K. Kanamori, M. Aizawa, K. Nakanishi and T. Hanada, "New Transparent Methylsilsesquioxane Aerogels and Xerogels with Improved Mechanical Properties", Adv. Mater., 19, 1589-1593 (2007).   doi:10.1002/adma.200602457

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